太陽の恵みを電気に変えて享受できるアウトドアの便利アイテム
僕はキャンプや車中泊をすることがよくあるんですが、そんな時に欠かせないのが"電源"です。
電源が無ければスマホやタブレットの充電はおろか、パソコンやモバイルバッテリー・充電池(エネループ)の充電、車載冷蔵庫の稼働、夜間のLED照明の点灯、夏なら小型扇風機の稼働、冬なら電気毛布の使用などなど。実に様々なことが行えず、アクティビティ全体に支障をきたしてしまいます。
想像以上に使える「ソーラー充電器」
基本的に車のシガーソケットとポータブル電源を組み合わせて電気を賄っているんですが、案外侮れないのが「ソーラー充電器(ソーラーチャージャー)」による発電です。
僕がメインで使っているAnker「PowerPort Solar 60」は30分の発電でスマホ2台分ほどの電気を利用することができるので、アウトドアシーンでは非常に重宝しています。
北海道胆振東部地震ではポータブル電源に助けられた
平時もさることながら、地震のような有事の際にもソーラー充電器は活躍します。
僕は先日北海道胆振東部地震で被災しブラックアウトを経験しましたが、本当にソーラー充電器には助けられました(ポータブル電源Anker「PowerHouse」も所有していたので併用していました)。
東日本大震災でも言われていたことですが、災害時の情報収集はツイッターしか使えませんでした。そのためスマホのバッテリーが生命線で、スマホを常に充電できる環境があることは相当な心理的安心感につながっていたことは間違いありません。
例えば半日(12時間)ソーラー充電器で発電すれば実にスマホ48台分の電気(Anker「PowerHouse」のバッテリー容量の約半分に相当)を賄えるので、送電網が断たれてしまった状況下では心強いですね。
ソーラー充電器で平時・有事に備えましょう
そんなわけで今回は平時・有事と多くのシーンで活躍すること請け合い、一家に一台あっても損はしないソーラー充電器についてご紹介します。コンパクトなものから、ポータブル電源も充電できる本格的なものまで紹介していくので、ご自身のニーズに合ったものをぜひ探してみてくださいね。
本記事の内容
そもそもソーラー充電器とは?
ソーラー充電器(ソーラーチャージャー)とは、太陽光によって発電した電気を使ってスマホやタブレットなどのモバイル機器をはじめ、様々な機器に電気を供給することができるアイテムで、「ソーラーパネル」と「インバーター」2つの機能を併せ持った製品です。
具体的な用途としてはモバイル機器に直接的に電気を供給して充電することもできますし、モバイルバッテリーやポータブル電源などに電気を供給して蓄電することも可能です。
家庭にあるコンセントのように膨大な電気を短時間で得ることは適いませんが、外出先のあらゆる場所で結構な量の電気を発電することが可能なので、あると間違いなく重宝しますよ。
ソーラー充電器の選び方
ここではソーラー充電器を選ぶ際に注目したいポイントについて解説していきます。
ソーラー充電器の種類
一つ目のポイントはソーラー充電器の種類を選ぶことです。ソーラー充電器は「コンパクト型」「折り畳み型」の2つに大別されます。
コンパクト型
コンパクト型のソーラー充電器の特徴は下記の通りです。
コンパクト型の特徴
- 携帯性が高い
- 本体に蓄電することができる
- 付帯機能がある
- 発電性能が低い
充電器本体が小さいので持ち運びに適していて、本体自体に蓄電しておけることがメリットになります。
また防塵防水性能やLEDライトなどといった付帯機能が備わっている場合があるのも、コンパクト型ならでは。
正直な話、コンパクト型はおすすめしません
コンパクト型ソーラー充電器は豊富な種類が売られていますが、実際に搭載されたソーラーパネルで発電できる量は雀の涙。まったく実用性の伴わない産物と言わざるを得ません。そのため僕としては皆さんにコンパクト型ソーラー充電器はおすすめしません。
僕も1台20000mAhクラスのコンパクト型ソーラー充電器を持っていますが、太陽光でチャージしたことは一度もありません笑 試しに1週間太陽光に晒した状態で放置しておいたことがありますが、それでもまったく充電されていませんでした(LEDインジケーターの感じから言って多く見積もっても恐らく10%くらいですね)。これじゃあ実用性なんてないですし、有事の際には役に立ちませんよね。その他有名メーカー製のソーラー充電器を持つ知人たちにも聞いてみましたが、やはり同様の意見でした。
こうした経緯があることから今回コンパクト型のソーラー充電器は実用性に乏しいので買う価値が無いと判断し、この場で製品を紹介することはやめました。ソーラーパネルによる発電を行いたい方は、このあと紹介する「折り畳み型」のソーラー充電器を購入することを強くおすすめします。
折り畳み型
折り畳み型のソーラー充電器の特徴は下記の通りです。
折り畳み型の特徴
- 発電性能が高い
- 携帯性が低い
- 本体に蓄電することができない
折り畳み型はアウトドアに最適
折り畳み型最大のメリットはなんといっても面積の広いソーラーパネルによる高い発電性能です。最高出力にもよりますが液晶テレビやパソコンに給電できるタイプも存在するほどです。
その反面持ち運びしにくく、本体に蓄電できないデメリットはありますが、ソーラーパネルで発電するという本来の趣旨からすれば大きな問題ではないと思います。
キャンプや車中泊などアウトドアシーンで活用するなら断然折り畳み型がおすすめです。
変換効率の高さ
2つ目のポイントは太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する割合を表す「変換効率」で選びましょう。
理論上30%が限界とされているので、限りなく30%に近いソーラー充電器が優秀ということになります。
充電スピード
3つ目のポイントは充電スピードの速さで選びましょう。
電流の強さを表す「A(アンペア)」の数値が大きいものを選ぶと充電スピードは速くなります。1Aで充電できるスマホもありますが、近年大型化が進んでいるので2Aくらいあると安心ですね。
最大出力
最大出力「W(ワット)」も重要で、スマホを急速充電する場合は余裕を持って20W程度は欲しいところです。製品に表示されている最大出力はあくまで理論値なので、ソーラー充電器を購入する際は余裕を持たせた出力数を持った製品を選びましょう。
必要なソーラー充電器のワット数を知る方法
実際に使いたい電子機器の消費電力が分かれば、購入の目安にすべき必要なソーラー充電器のワット数が割り出せます。
スマホ | タブレット | 小型冷蔵庫 | パソコン | 液晶テレビ | |
消費電力(W) | 5W | 10W | 40W | 50W~150W | 150W |
合計消費電力÷3.352=1時間あたりに必要なワット数
上記の計算式に想定される消費電力を当てはめるだけでソーラー充電器に求めるべきワット数が分かります。
例えばスマホ・タブレット・液晶テレビを使いたい場合の総消費電力は165W(5W+10W+150W)になります。これを3.352で割ると約50Wがソーラー充電器に求めるべき出力数です。この出力数を販売されているソーラー充電器の最高出力表示に照らして、望ましいモデルを探しましょう。
USBポート数
ソーラー充電器に搭載されるUSBポート数は製品によって様々なので、複数台の機器を同時充電したい方は出力USBポート数を事前に確認しておくといいでしょう。
注意事項
ソーラー充電器の中には、ポータブル電源と併用することを想定してMC4コネクターというコネクターしか付属していない製品があります。このような製品の場合、スマホなどを直接充電できないので注意しましょう。
ちなみにこのあと紹介するおすすめの折り畳み型ソーラー充電器はすべて単独でスマホやタブレットなどと接続できるタイプなので安心ですよ。
おすすめの折り畳み型ソーラー充電器
ここではスマホやタブレットなどをチャージできる十分な発電量が見込める折り畳み型ソーラー充電器のおすすめ製品について紹介します。
スマホ・タブレットなどを充電する場合
suaoki「25W ソーラーチャージャー」
まず紹介するのは、リーズナブルな価格が魅力のsuaoki(スアオキ)のソーラー充電器「25W ソーラーチャージャー」です。
最大の魅力はリーズナブルな価格
25Wの出力を誇るソーラー充電器としては比較的リーズナブルな価格設定になっているのが魅力ですね。有名メーカーのAnker(アンカー)などと比べると千円以上安いです。
必要十分な性能を備える”使えるチャージャー”
「安かろう、悪かろう」ではないのがsuaokiの良いところでもあります。
太陽光から電気へのエネルギー変換効率25%と上々の数値を叩き出し、USBポートも2つ搭載。必要最低限ですがアンペア数も1ポート最大2.1A、2ポート合計3.4Aと実用性十分な性能を備えています。
スマホやタブレット程度の電子機器を屋外で充電したいくらいのニーズなら余裕で満たせる優れたソーラー充電器ですよ。
RAVPower「21W ソーラー充電器 RP-PC118」
続いて紹介するのはモバイルバッテリー業界でその名を知られるRAVPower(ラブパワー)のソーラー充電器「21W ソーラー充電器 RP-PC118」。
スマホ・タブレットの急速充電が可能
RAVPowerの魅力は、搭載された2つのUSBポートそれぞれが高出力の最大2.4A対応であること。
suaoki製よりも0.3A高く、これによりスマホやタブレットをより速くチャージすることが可能です。
より軽量な本体
またsuaoki製よりも約150g軽い本体重量もポイントでしょう。
携帯性を重視する場合は見過ごせないメリットですね。
スマホやタブレットの急速充電機能を重視する場合や本体の軽さを考慮する場合はRAVPowerを選ぶといいでしょう。
Anker「PowerPort Solar 21W」
スマホ・タブレットほどの電子機器を充電するニーズに応えるソーラー充電器、最後に紹介するのはモバイルバッテリー業界の世界的リーディングカンパニーAnkerの「PowerPort Solar 21W」です。
世界的ブランドの安心感
「モバイルバッテリーといえばAnker」と言われるほどの認知度を誇るメーカーなので、製品の品質や技術力の高さには定評があります。
ソーラー充電器もモバイルバッテリー同様に粗悪品の場合は発火事故を引き起こす危険性のある製品ですから、安心して使えるに越したことはありません。
その意味でAnker製のソーラー充電器を選ぶことは現状で最も安心できるといえます。
非常に軽量な本体
suaoki製よりも軽量なRAVPower製を上回る軽量小型化がなされているのが最大の魅力でしょう。
折り畳んだ際のサイズはRAVPowerよりも若干コンパクト、重量は180gも軽い約420gと抜群のモバイル性を有しています。
発電性能などのスペックはRAVPowerと同等なので、高いモバイル性や安心感を重視するならAnker「PowerPort Solar 21W」を選びましょう。
ポータブル電源なども充電する場合
suaoki「60W ソーラーチャージャー」
スマホ・タブレットはもちろん、充電にさらに大きな出力が求められるポータブル電源などもチャージすることができるソーラー充電器として、まずおすすめするのはsuaoki「60W ソーラーチャージャー」です。
suaoki製はやっぱりリーズナブル
60W級のソーラー充電器においてもsuaoki製のリーズナブルさは光ります。Anker製などよりも少なくとも三千円以上は安く買えると思いますよ。
不足を感じさせない実用性十分な性能
安くても発電性能に妥協は感じられません。22~23%の高いエネルギー変換効率を誇り、USBポート・DCポートを備えているので充電に関して不足を感じることはありません。
また上の画像でも分かるようにsuaoki製は付属品が多いのも魅力でノートPC用のDC変換プラグは10種類が同梱される大盤振る舞いっぷり。これだけ揃っていれば、ほとんどの製品と接続させることができるので助かりますね。
USBポートに関してはちょっと物足りなさを感じます
suaoki「60W ソーラーチャージャー」のUSBポートは1つしか搭載されておらず、さらに最大出力も2Aに留まることはちょっと気にかかるポイント。
実際に使って性能を確かめたところ、スマホ充電時のアンペア数はわずか0.8Aと1Aに満たないことが分かりました。
急速充電には程遠く、あくまでUSBポートによるスマホ充電は補助的なものと捉えておくのが無難だと思います。
このクラスになるとポータブル電源との併用も視野に入っているので、仮にポータブル電源があるのであれば大して気にならないんですが、suaoki「60W ソーラーチャージャー」単独で使うとなるとちょっと手痛いスペックですね。
いずれにせよ、コスパの良さで選ぶなら断然suaoki製がおすすめです。
Anker「PowerPort Solar 60」との性能比較記事、公開中です。
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【⚡ソーラー充電器suaoki・Anker 60W比較レビュー】iPhoneも充電できるsuaoki製&Anker製おすすめソーラーチャージャーの性能をAnker PowerHouseで検証
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Anker「PowerPort Solar 60」
60W級でも優れた性能を誇るのがAnker「PowerPort Solar 60」です。
USB関連のスペックで優位性を発揮
Anker「PowerPort Solar 60」はUSBポートを2つ搭載しており、各ポートの最高出力も2.4Aとsuaoki製よりも0.4A高い分だけスマホ・タブレットのよりスピーディーな充電が行えます。
サイズ・重量はほぼsuaoki製と同じ
サイズや本体重量に関しては顕著な差は見られません。約1.4kgと思いのほか軽いので、いずれの製品も携帯性は十分でしょう。
安心のAnker製であることやより高い急速充電性能などを重視するならAnker「PowerPort Solar 60」が最適しょう。
suaoki「60W ソーラーチャージャー」との性能比較記事、公開中です。
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ポータブル電源併用でソーラー充電器をフル活用
多くの電気を蓄えておけるポータブル電源を併用するとソーラー充電器の利用価値がさらに高まります。キャンプや車中泊の平時はもちろん、地震や台風などによる災害に巻き込まれた際などにも非常に重宝するので、ソーラー充電器と併せて備えておくと安心ですよ。
ここでは初心者でも簡単に扱える、あると非常に重宝するおすすめポータブル電源をご紹介します。
おすすめポータブル電源
なお詳しく知りたい方は下記のまとめ記事「ポータブル電源」の項目に目を通して見てくださいね。
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【キャンプに最適なバッテリーまとめ】軽量小型なモバイルバッテリーから超大容量ポータブル電源までアウトドアで重宝するおすすめバッテリーをご紹介
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おすすめポータブル電源:SmartTap「PowerArQ」
まずおすすめしたいポータブル電源はSmartTap「PowerArQ」です。
市販製品最強クラスの性能
SmartTap「PowerArQ」最大の特長は、市販されているポータブル電源の中でもトップクラスのバッテリー容量174,000mAhを誇ることです。これはiPhone XSを約44回フル充電できる電気量に相当します。これだけ大容量であればアウトドアアクティビティの際は気兼ねなく電気が使えますし、有事の際もソーラー充電器と併せれば鬼に金棒でしょう。
また日本企業が開発・販売している製品なので安心感があります。
安価でないことがデメリット
これだけ大容量のバッテリーが搭載されていれば、当然ですが販売価格もそれ相応にならざるを得ません。ここがSmartTap「PowerArQ」最大の欠点でしょう。
価格の面を考慮するならこのあと紹介するAnker「PowerHouse」の方に分がありますね。
おすすめポータブル電源:Anker「PowerHouse」
必要十分な性能とリーズナブルな価格で高いコスパを実現させている超定番ポータブル電源Anker「PowerHouse」は、初めてポータブル電源を購入する方に最もおすすめしたい製品です。
大容量バッテリーとリーズナブルな価格が共存
Anker「PowerHouse」のバッテリー容量はiPhone XSを約30回フル充電できる電力に相当する120,600mAhを搭載。販売価格は先に紹介したSmartTap「PowerArQ」よりも2万円以上安価。
この2つの要素が高い次元で両立している唯一無二の製品が「PowerHouse」最大の魅力でしょう。
安心のAnker製ということもあって、初めてポータブル電源を購入したいと考えている方には最適だと思います。
オフグリッド環境、最高です
僕も「PowerHouse」を使い倒していて、ソロキャンプでスマホ・タブレット、カメラ、充電池、Bluetoothスピーカー、ドローン、ノートパソコン、扇風機・サーキュレーター、LEDライト・・・などを遠慮なく給電し倒してもバッテリー容量は半分くらいの消費に留まります。2泊以上のトリップの際にはソーラー充電器と組み合わせてかなりオフグリッドな環境を構築できるので、心からおすすめできる製品です。
アウトドア向けおすすめソーラー充電器|まとめ
「【⚡アウトドア向けおすすめソーラー充電器まとめ】キャンプ・車中泊に最適なポータブルソーラーチャージャー|入門ならAnkerやsuaokiの60Wモデルがおすすめ」と題して、キャンプや車中泊などの平時や災害時にも大変重宝するソーラー充電器について紹介してきました。
ソーラー充電器とポータブル電源の併用がおすすめ
初期投資にある程度お金はかかりますが、長い目で見ればソーラー充電器とポータブル電源の両方を備えておいた方が安心です。
100,000mAhクラスのポータブル電源に、それを充電できるソーラー充電器を組み合わせれば鬼に金棒!平時も有事もへっちゃらです!
僕も併せ持ちを実践しています
僕の場合はAnker「PowerPort Solar 60」と「PowerHouse」を併せ持ちしていて、キャンプや車中泊をする際に「PowerHouse」を「PowerPort Solar 60」で充電しながら使っています。半日あればポータブル電源の約半分のバッテリー充電が行えるのでソーラーチャージ様様。あると間違いなく重宝する僕にとってはもはや欠かせない生活必需品です!
この記事をきっかけにあなたにとって最良のソーラー充電器が見つける一助になれば嬉しいです。